20世紀のピュア・マン
よく晴れた気持ちのいい午後の休み時間、穴ぐらから這い出したモグラのように教室からのそっとバルコニーに出てきた小僧は、友人が持ってきた「クリムゾン・キングの宮殿」のジャケットを見つけるやいなや、頼まれもしないのにドヤ顔でクリムゾンの魅力を解説し始めた。
するとなんと、隣のクラスの「学年イチ可愛い」と噂の子が「あなたもクリムゾン好きなの?クリムゾンいいよね〜」といきなり親しげに話しかけてきたのである(!)。
不意を突かれた小僧は「お、おう…」などと間抜けな返答をしてしまい、その後も気の利いた会話ができずに焦っていると、無情にも次の授業開始を告げるチャイムが…。
それ以降、その子と話す機会は二度と訪れなかった。
こうして小僧の千載一遇の恋のチャンスは、海の藻屑と消えたのである…。
想い出の1曲
21st Century Schizoid Man
楽曲データ
- 曲名
- 21st Century Schizoid Man(邦題:21世紀のスキッツォイド・マン)
- 録音
- 1969年
- リリース
- 1969年
- 作詞
- Pete Sinfield
- 作曲
- King Crimson
- ヴォーカル & ベース
- Greg Lake
- ギター
- Robert Fripp
- ドラムス
- Michael Giles
以前は「21世紀の精神異常者」という邦題だったが、現在のレコ倫の基準により「21世紀のスキッツォイド・マン」に改題。

収録アルバム:In The Court Of The Crimson King
1969年リリースのファーストアルバム。プログレッシブ・ロックの大名盤。プログレに興味があるなら必聴。ローリング・ストーン誌の「史上最高のプログレ・ロック・アルバム50」第2位(ちなみに第1位はピンクフロイドの「狂気」)。