雪降る夜のリクエスト
今はほとんどラジオを聞かなくなったのでよくわからないが、昔はラジオの生リクエスト番組がたくさんあった。しかし今みたいに携帯電話がないので、リクエストをしたければ家の固定電話でかけるか外の電話ボックスからかけるかしかなかった。
ある日、小僧が聞いていた深夜のリクエスト番組に、ある曲をリクエストした浪人生がいた。その日は記録的な大雪で、ましてや深夜。まともな人間なら決して外に出ようとは思わないであろうそんな日に、彼は小銭を握りしめアパートから 100m 離れた電話ボックスまで走って電話を掛けに来たと言う。
そのときどんな事情があったのかは彼の口からは語られなかったが、何かしらそうせずにはいられない彼なりの「思い」があったのかも知れない。
ラジオを聴いていた小僧は、そんな彼の心意気に何故かいたく感動し(今だったらそんなことしてないで勉強しろよ浪人生!と思うだけだが)、浪人生の渾身のリクエスト曲を襟を正す思いで聴いた。
初めて聴いたその曲はとても素敵な曲で、彼がそこまでしてリクエストしたのもわかる気がした。
想い出の1曲
Cream – White Room
楽曲データ
- 曲名
- White Room
- リリース
- 1968年
- 作詞
- Pete Brown
- 作曲
- Jack Bruce
- ヴォーカル、ベース
- Jack Bruce
- ギター
- Eric Clapton
- ドラム
- Ginger Baker
- プロデュース
- Felix Pappalardi

収録アルバム:Wheels of Fire(邦題:クリームの素晴らしき世界)
1968年にリリースされた、スタジオ盤とライブ盤の2枚組アルバム。ちなみにプロデュースを担当したのは、後にレズリー・ウェストらとマウンテンを結成するベーシストのフェリックス・パパラルディ。