哀愁の学園祭 1
高2の秋、学園祭でバンドやろうぜ!という話になった。ギター小僧も参加することにした。それは小僧にとって、輝かしい初ステージになるはずだった。
ところがライブ当日、小僧たちは予期せぬ事態に遭遇する。
バンドのために簡易ステージが組まれた第2体育館は、全体の3分の1が卓球台で占められていたのだが、そこに学園祭にもバンドにも興味の無い暇な連中が大勢押し寄せ、ライブ直前に卓球を始めたのである。
急遽バンド勢と卓球勢の話し合いの場が設けられたが、折り合いはつかなかった。その結果、会場に響き渡るピンポン玉の音と歓声と怒号…そんな喧噪の中で演奏は行われた。
そんなわけで、小僧の初めてのステージ、初めて人前で演奏した「哀愁のヨーロッパ」は、さながら卓球のための BGM と化していた。それでも小僧は、人前で演奏するという初めての体験が楽しかった。
ライブの途中で業を煮やしたバンドの仲間が卓球勢に文句を言いに行って揉めたり、音がうるさいと先生が注意しに来たりと、なにかと落ち着かないライブではあったが、小僧にとっては輝かしい青春の1ページとなった。
想い出の1曲
Europa (Earth’s Cry Heaven’s Smile)
- 曲名
- Europa (Earth’s Cry Heaven’s Smile)(邦題:哀愁のヨーロッパ)
- リリース
- 1976年
- 作曲
- C. Santana, T. Coster
- ギター
- Carlos Santana
- キーボード
- Tom Coster
- ベース
- David Brown
- ドラムス
- Leon Ndugu Chancler
- パーカッション
- Armando Peraza
今回初めて知ったが、「哀愁のヨーロッパ」のシングル化は日本独自の企画との事。なるほど言われてみればいかにも日本人好みの泣きの旋律で、日本でヒットしたのも納得である。ちなみに、奏法的にはチョーキングしたまま1小節以上音を伸ばさなければならないのが地味にキツい w

パーカッションを前面に押し出し、ラテンロックに回帰した名盤。この当時のサンタナと言えばもれなくついてくる横井忠則氏制作のジャケも秀逸。